出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…戦国期にも追放刑が多用され,江戸時代に受け継がれて幕府法,藩法,その他旗本など領主法上の制度として定着した。 江戸幕府の《公事方御定書(くじかたおさだめがき)》は6段階の追放刑,すなわち重追放(おもきついほう),中(なかの)追放,軽(かるき)追放,江戸十里四方追放,江戸払(えどばらい),所払(ところばらい)を掲げ,各刑について御構場所(おかまいばしよ)(立入禁止の地域)を定めている。重追放は武蔵,相模,上野,下野,安房,上総,下総,常陸,山城,摂津,和泉,大和,肥前,東海道筋,木曾路筋,甲斐,駿河を,中追放は武蔵,山城,摂津,和泉,大和,肥前,東海道筋,木曾路筋,下野,日光道中,甲斐,駿河を,軽追放は江戸10里四方,京,大坂,東海道筋,日光,日光道中を,それぞれ住居の国および犯行の国とあわせ御構場所とする。…
…これは都市的な性格をもつ地であるが,若狭国太良荘の1270年(文永7)の百姓等申状に〈所を煩わす〉,1334年(建武1)の申状に〈所は荒廃地〉〈本(もと)より所狭く減少の地〉とある〈所〉は,在家の集まる農村の集落をさす。《山家集》の〈ところにきはふ〉,《太平記》の〈所の地頭強うして〉,さらに降って所質(国質・所質),所払の〈所〉もこれで,民俗語彙のトコログミも同じである。所は〈在所〉にも通じ,江戸時代以降,都を離れたいなかを意味するようになるが,さかのぼって《塵芥集》の〈在所〉は門・垣をめぐらし,竹木で囲まれた家・屋敷でアジール的機能をもつと解しうるので,中世の所についても,同様の性格を備える場合が少なからずあったと見てよかろう。…
…裏書押印を与えられた目安は,訴訟人がみずから相手方の属する町村役人宅へ持参して送達する。これを受領した相手方は〈拝見書〉(裏書拝見書,尊判拝見書)を訴訟人に渡し,返答書を作成して目安とともに奉行所に提出する(目安の受領を拒否すれば所払(ところばらい)に処せられる定めである)。裏書で指定された期日(差日(さしび))には両当事者が奉行所に出廷し,対決審問を受けるのであるが,差日以前に内済することもあった(訴訟中内済,裏書中内済)。…
※「所払い」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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