六訂版 家庭医学大全科 「扁平母斑」の解説
扁平母斑
へんぺいぼはん
Nevus spilus
(皮膚の病気)
どんな病気か
いわゆる“茶あざ”です。体のさまざまな部位に扁平な、点状から面状に分布する茶褐色の
生まれた時に6個以上のミルクコーヒーのような色素斑(カフェオレ斑)がある場合は、後述のレックリングハウゼン病のこともあります。
検査と診断
茶褐色の平らな色素斑があれば扁平母斑と考えるか、後述のほくろであることが多いでしょう。皮膚科または形成外科で相談してください。
治療の方法
扁平母斑は自然には消えません。本人が気になるものが治療対象になります。従来はドライアイスをあてたり、グラインダーで削ったりしていましたが、最近ではレーザー(Qスイッチルビーレーザー、Qスイッチアレキサンドライトレーザーなど)を照射すると、消失したり軽快します。
ただ、レーザーを照射してしばらくは消えていたものが次第に再発する場合もしばしばあります。あとで述べる太田母斑や他の項で述べている
なお扁平母斑は、レーザーの機種によって保険が適用されるものとそうでないものとがある(2009年現在)ので、担当医に確認してください。
病気に気づいたらどうする
扁平母斑は、多少の色の変化はありますが、自然に消えるあざではありません。気になる場合は皮膚科、形成外科などを受診してください。レーザーは各病院に設置しているわけではないので、近くの医院から紹介してもらうのがよいでしょう。
また、茶あざで数が多い場合はレックリングハウゼン病である可能性があるので、早めに医師と相談してください。
ベッカー母斑は海水浴や強い日光にさらされたあとなどに現れることがあります。これもレーザーの効果がある疾患です。
安田 浩
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報