手児(読み)テコ

デジタル大辞泉 「手児」の意味・読み・例文・類語

て‐こ【手児】

《「てご」とも》
父母の手に抱かれる子。赤子
をそ泣きつる―にあらなくに」〈・三四八五〉
少女。おとめ。
人皆の言は絶ゆとも埴科はにしな石井の―が言な絶えそね」〈・三三九八〉

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精選版 日本国語大辞典 「手児」の意味・読み・例文・類語

て‐こ【手児】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「てご」とも )
  2. 父母の手に抱かれ養い育てられる児。赤子。赤ん坊幼児。現在でも、山形県庄内地方で幼児の愛称に用いる。
    1. [初出の実例]「剣刀(つるぎたち)身に副ふ妹をとり見がね哭(ね)をそ泣きつる手児(てご)にあらなくに」(出典万葉集(8C後)一四・三四八五)
  3. 年若い女。おとめ。
    1. [初出の実例]「人皆の言は絶ゆとも埴科の石井の手児(てご)が言な絶えそね」(出典:万葉集(8C後)一四・三三九八)

手児の補助注記

「万葉‐四三一・題詞」では「過勝鹿真間娘子墓時山部宿禰赤人作歌一首并短歌 東俗語云可豆思賀能麻末能弖胡(テゴ)」と固有名詞の一部に使われている。

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