日本大百科全書(ニッポニカ) 「手向神」の意味・わかりやすい解説 手向神たむけのかみ 旅人などが通行の安全を祈る神。一つの空間の境と考えられてきた峠や山麓(さんろく)などには、きまって神仏が祀(まつ)られている。道祖神や庚申(こうしん)塔、地蔵などである。通りすがりの人がその土地を守護するこれらの神仏に、路傍の花や柴(しば)、幣(ぬさ)などを供えて通行の安全を願う風習は古くからあった。西日本に分布する柴神信仰は典型的なもので、柴神に柴を手向けると、その守護によってさまざまな難儀が回避できると信じられている。[佐々木勝] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例