手足症候群(読み)てあししょうこうぐん(その他表記)hand-foot syndrome

日本大百科全書(ニッポニカ) 「手足症候群」の意味・わかりやすい解説

手足症候群
てあししょうこうぐん
hand-foot syndrome

抗がん剤を用いる化学療法の副作用として手足の皮膚細胞が障害される症状。手掌(手のひら)や指先および足底(かかと)の皮膚が硬くなり、痛みや腫脹(しゅちょう)を伴う。手足のしびれ、皮膚の発赤や色素沈着および角化、ピリピリする痛みなどの症状がみられ、進行すると、皮膚がはがれ落ちる落屑(らくせつ)、水疱(すいほう)、ひびわれ、爪(つめ)の変形などがみられるようになって痛みも増す。発症部位は抗がん剤によって異なり、症状は左右両側にみられることが多い。原因はまだ不明であるが、乳がんなどに用いるカペシタビン、子宮頸(けい)がんなどに用いるテガフール、消化器がんほかに用いるフルオロウラシル5-FU)、ほかに肝臓がん、腎臓がん、甲状腺(こうじょうせん)がんなどに用いる一部の抗がん剤が症状を惹起(じゃっき)しやすいとされている。

 抗がんの副作用とは別に、3歳くらいまでの乳児期に発症し、赤血球に異常をきたす鎌状(かまじょう)赤血球症が原因で血管がつまり、手足に激しい痛みを伴って腫脹が持続する病態についても手足症候群とよぶことがある。

[編集部]

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