手遊(読み)てあそび

精選版 日本国語大辞典 「手遊」の意味・読み・例文・類語

て‐あそび【手遊】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 手に持って遊ぶこと。てなぐさみにすること。また、そのもの。てすさび。てなぐさみ。
    1. [初出の実例]「床に伏ながら、手遊(テアソビ)にせし念珠の傍にありけるを見て」(出典:発心集(1216頃か)三)
  3. 手に持って遊ぶための物。おもちゃ玩具。〔詞葉新雅(1792)〕
    1. [初出の実例]「あの世で助けてやりたう存じまして、あの子の手遊(テアソ)び、地蔵様へ納めた上」(出典:歌舞伎桜姫東文章(1817)五幕)
  4. 博打(ばくち)賭博

て‐すさび【手遊】

  1. 〘 名詞 〙 手でするなぐさみ。なんとなくする手のわざ。退屈をまぎらわす手わざ。てなぐさみ。てすさみ。
    1. [初出の実例]「手すさひにひをけのをけや有にけん恋しき人にあはぬ比哉」(出典:類従本信明集(970頃))
    2. 「年頃この姫君の御てすさびに書き給へりける御経も」(出典:栄花物語(1028‐92頃)もとのしづく)

て‐すさみ【手遊】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「てずさみ」とも ) =てすさび(手遊)
    1. [初出の実例]「てすさみのやうに片仮名にて懐なる猫の首に、結びつけて」(出典:狭衣物語(1069‐77頃か)三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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