手馴れ(読み)たなれ

精選版 日本国語大辞典 「手馴れ」の意味・読み・例文・類語

た‐なれ【手馴・手慣】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 手に扱いなれること。使いなれていること。
    1. [初出の実例]「言問はぬ木にもありともわが夫子(せこ)が多那礼(タナレ)の御琴地(つち)に置かめやも」(出典万葉集(8C後)五・八一二)
  3. 動物を飼いならすこと。また、よくなついていること。
    1. [初出の実例]「君し来ばたなれの駒に刈り飼はんさかり過ぎたる下葉なりとも」(出典:源氏物語(1001‐14頃)紅葉賀)

て‐なれ【手馴・手慣】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 常に用いて、使いなれていること。あつかいなれること。たなれ。
    1. [初出の実例]「わがかどの一むらすすきかりかはん君がてなれの駒もこぬかな〈小町姉〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)恋二・六一六)
  3. 仕事などになれてたくみなこと。なれた手ぎわ。
    1. [初出の実例]「永い間の手練(テナレ)の世帯向のやうに気が利いた」(出典:新世帯(1908)〈徳田秋声〉二〇)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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