打ち時雨る(読み)ウチシグル

デジタル大辞泉 「打ち時雨る」の意味・読み・例文・類語

うち‐しぐ・る【打ち時雨る】

[動ラ下二]
さっと時雨が降る。
「今日ぞ冬立つ日なりけるもしるく―・れて、空の気色いとあはれなり」〈夕顔
涙を流す。涙ぐむ。
「まみの辺り―・れて、ひそみ居たり」〈・若菜上〉

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精選版 日本国語大辞典 「打ち時雨る」の意味・読み・例文・類語

うち‐しぐ・る【打時雨】

  1. 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 ( 「うち」は接頭語 )
  2. 秋から冬にかけて、急に曇って雨が断続的に降る。しぐれが降る。しぐれる。
    1. [初出の実例]「空のけしきのあはれにうちしぐるるにも」(出典:源氏物語(1001‐14頃)宿木)
  3. ( 比喩的に用いて ) 涙ぐむ。落涙する。涙にぬれる。
    1. [初出の実例]「まみのあたりうちしぐれて、ひそみゐたり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)

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