打ち置く(読み)ウチオク

デジタル大辞泉 「打ち置く」の意味・読み・例文・類語

うち‐お・く【打ち置く】

[動カ四]
物などをちょっと置く。
「御硯の蓋に、小さき松ども―・きつつ」〈夜の寝覚・三〉
物事をそのままの状態にしておく。ほうっておく。
「しさしたることの今日過ぐすまじきを―・きて」〈三五

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「打ち置く」の意味・読み・例文・類語

うち‐お・く【打置】

  1. 〘 他動詞 カ行四段活用 〙 ( 「うち」は接頭語 )
  2. 物などをある位置にひょいと据える。
    1. [初出の実例]「赤駒に 倭文鞍(しつくら)宇知意伎(ウチオキ) はひ乗りて 遊び歩きし」(出典万葉集(8C後)五・八〇四)
  3. そのままの状態にして触れないでいる。そのままさしおく。
    1. [初出の実例]「咒をもちて神をしばりて谷のそこにうちおきつ」(出典:観智院本三宝絵(984)中)
  4. 落ち着かせる。のんびりさせる。
    1. [初出の実例]「さらば此ふたつのものを我友となさば、打をきたる心のいとまもなからん」(出典:俳諧・本朝文選(1706)三・譜類・百鳥譜〈支考〉)

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