打延(読み)うちのぶ

精選版 日本国語大辞典の解説

うち‐の・ぶ【打延】

[1] 〘自バ上二〙 (「うち」は接頭語)
① 長くなる。のびる。
※日葡辞書(1603‐04)「Vchinobite(ウチノビテ)ネル」
② 逃げて遠く隔たる。逃げのびる。
※曾我物語(南北朝頃)五「むかひの岡に駒うちあげて見ければ、はるかにうちのびぬ」
[2] 〘他バ下二〙 ⇒うちのべる(打延)

うち‐のべ【打延】

〘名〙
① 打って延ばすこと。
キセルの総体を金属で作ること。また、そのキセル。
※随筆・賤のをだ巻(1802)「昔は打のべのきせるを持者十人に三四人も有たり」

うち‐の・べる【打延】

〘他バ下一〙 うちの・ぶ 〘他バ下二〙
① (「うち」は接頭語) ゆっくり時間をかけてする。長引かせる。
※源氏(1001‐14頃)賢木「律師(りし)の、いと尊き声にて、念仏衆生摂取不捨とうちのべておこなひ給へるは」
② 金属類を打って延ばす。
※日葡辞書(1603‐04)「カネヲ vchinoburu(ウチノブル)
③ ひもなどを細長く引き延ばす。
※日葡辞書(1603‐04)「ヲヲ vchinoburu(ウチノブル)

うち‐は・う ‥はふ【打延】

(多く、連用形に「て」を伴った「うちはえて」の形で副詞的に用いる)
[1] 〘自ハ下二〙 (「うち」は接頭語) ある物事、状態が時間的、空間的に長く延びる、引き続く。→うちはえうちはえて
① 細いものが長く延びる。
② ずっと続く。引き続く。
[2] 〘他ハ下二〙 (「うち」は接頭語) ある物事、状態を時間的、空間的に長く引き延ばす。
① 細長いものを長く引き延ばす。
※古事記(712)上「栲縄(たくなは)の、千尋縄(ちひろなは)打延(うちはへ)て釣為る海人の 大の尾翼鱸 〈鱸を訓みて須受岐と云ふ〉」
② 心を対象まで延ばし近づける。心を寄せる。心にかける。
※万葉(8C後)六・一〇四七「もののふの 八十伴のをの 打経(うちはへ)て 思へりしくは」

うち‐はえ ‥はへ【打延】

〘副〙 (動詞「うちはう(打延)」の連用形から)
※枕(10C終)一〇三「雨のうちはへ降るころ、けふも降るに」
② ぬきんでているさまを表わす語。きわだって。
※今昔(1120頃か)二五「腹葦毛なる馬〈略〉打はへ長(たきたか)きが」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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