打当(読み)うちあてる

精選版 日本国語大辞典 「打当」の意味・読み・例文・類語

うち‐あ・てる【打当】

〘他タ下一〙 うちあ・つ 〘他タ下二〙
① 物と物とをぶつける。物を飛ばして目標にぶつける。
※枕(10C終)三「かゆの木ひきかくして〈略〉いかにしたるにかあらん、うちあてたるは、いみじう興ありて」
② 目ざしたとおりにする。思いどおりにする。
日葡辞書(1603‐04)「サイノ メヲ vchiateta(ウチアテタ)
③ (「うちあてて」の形で副詞的に用いる) 直接に言う。面と向かって言う。
※花屋抄(1594)「こてふ〈略〉けやけうめんじゃうに打あてて物いふ事也」

うち‐あた・る【打当】

〘自ラ五(四)〙
① 物と物とがぶつかる。触れる。
蜻蛉(974頃)下「笏(さく)らに扇(あふぎ)のうちあたる音ばかり時々してゐたり」
② 行き当たる。出くわす。直面する。
※近代文明と芸術(1924)〈吉江喬松〉二「其処に生きて動いてゐる日本のブウルジョアジイに打当るであらう」

ぶち‐あた・る【打当】

〘自ラ五(四)〙 勢いよくぶつかる。また、行き当たる。直面する。
福翁自伝(1899)〈福沢諭吉大阪を去て江戸に行く「ブラブラ歩く中に、〈略〉キニッフルと云ふ商人の店に打当(ブチアタッ)た」

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