抗てんかん薬の血中濃度測定

六訂版 家庭医学大全科 の解説

抗てんかん薬の血中濃度測定
(脳・神経・筋の病気)

 抗てんかん薬が確かに服用され、体重あたりの十分量がとられているかを確認するために、薬の量を調べる血液検査を、抗てんかん薬血中濃度測定といいます。

 服用された抗てんかん薬は消化管から体に吸収されて血液の流れとともに脳内に取り込まれて初めて、抗てんかん作用が現れます。脳は糖脂質と呼ばれる脂肪の塊のようなものでできており、脳内に入り込むには脂肪に溶けるような薬の性質が必要です。消化管からの吸収や肝臓での代謝が極めて複雑な抗てんかん薬、とくにフェニトイン、バルプロ酸ナトリウムの場合には3~4カ月ごとの血中濃度測定が必要です。

 てんかん発作を抑えるためには一定の濃度が血中に保たれる必要があり、そのためのむ薬の量が正しくても血中の薬物濃度が低い場合にはさらに服用量を増やす必要があるので、血中濃度測定が必要となります。

 発作のコントロールがうまくいかない時には、まれに患者さんが指示どおり正しく薬を服用していないこともあるので、そのチェックのためにも測定されます。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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