ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「抗癌抗生物質」の意味・わかりやすい解説 抗癌抗生物質こうがんこうせいぶっしつ 抗生物質のなかで,抗悪性腫瘍活性をもつ物質。ストレプトマイシンの発見によって結核が不治の病ではなくなったように,癌に対しても特効薬の出現が待たれてはいるが,複雑な発症,転移のメカニズムのために決定的な治療法は見つかっていない。 1940年のアクチノマイシンに始って,数多くの抗癌抗生物質が研究されている。作用機序としては,DNAや RNAの合成阻害によって癌細胞の増殖を阻止する薬剤と,患者の免疫機能を刺激して間接的に抗腫瘍活性を示すいわゆる BRM系薬剤とに大別される。核酸合成阻害剤としてはマイトマイシンC,ブレオマイシン,ドキソルビシン,ダウノビルシンなどがある。 BRMには高分子多糖の PSKやレンチナンなどがあり,おもに併用薬として臨床に用いられている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by