折衷尺(読み)せっちゅうじゃく

精選版 日本国語大辞典 「折衷尺」の意味・読み・例文・類語

せっちゅう‐じゃく【折衷尺】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代物差一種伊能忠敬が、全国土地測量に際し、基準尺を定める必要上、当時町中で用いられていた又四郎尺(三〇二・三七ミリメートル)と幕府公認の享保尺(三〇三・三六ミリメートル)の長短を折衷して作ったもの。長さ三〇二・九七ミリメートルの曲尺で、明治八年(一八七五)の度量衡制定の際にも標準とされた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の折衷尺の言及

【尺貫法】より

…その一つは享保尺といい,徳川吉宗が熊野の神庫から見いだした尺の写しとされ,一つは又四郎尺と呼ばれるもので,室町時代の尺工又四郎の手になるものとされ,その1尺は享保尺の1尺4厘であったという。さらに折衷尺と呼ばれるものがあり,これは伊能忠敬が1800年(寛政12)ころ日本海岸絵図の作成に当たって用いたとされ,その1尺は享保尺の1尺2厘であったという。ただし,これらの尺についてのいわれは明治初期になって現れたものであり,疑わしい点もある。…

※「折衷尺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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