押っ取って(読み)オットッテ

デジタル大辞泉 「押っ取って」の意味・読み・例文・類語

おっとっ‐て【押っ取って】

[副]
おおよそ。だいたい。ざっと。
「―銀になほして九十貫目なり」〈浮・禁短気・四〉
さしあたってすぐに。意のままに。
「私にも―つかはるるほど金が欲しや」〈浮・諸艶大鑑・三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「押っ取って」の意味・読み・例文・類語

おっとっ‐て【押取て】

  1. 〘 副詞 〙 ( 動詞「おっとる(押取)」に助詞「て」が付いて一語化したもの )
  2. 十分思案しないで気軽に行為する様子
    1. (イ) 気軽に考えて。さしあたって。
      1. [初出の実例]「私にもおっとって、つかわるる程かねがほしやと申」(出典:浮世草子・好色二代男(1684)三)
    2. (ロ) おおざっぱに言って。おおよそのところ。だいたい。
      1. [初出の実例]「おっとって仕合は、堺の大臣に二人共にあげられ」(出典:浮世草子・傾城色三味線(1701)鄙)
      2. 「千五百両に身請おっ取て銀に直して九十貫目なり」(出典:浮世草子・傾城禁短気(1711)四)
  3. 全体をひっくるめて。一座の代表者風に。「いう」「申す」などを伴って用いる。
    1. [初出の実例]「太夫さまの外聞と、おっ取てやりてがいふ」(出典:浮世草子・傾城色三味線(1701)大坂)

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