江島其磧(きせき)の浮世草子。1711年(宝永8)八文字屋八左衛門刊。6巻24話。題簽角書(だいせんつのがき)に「色道大全」とある。「禁短気」は「禁談義」のもじりで、談義、説法、宗論の形を借りて、女道と衆道(しゅどう)、公娼(こうしょう)と私娼の優劣、遊女と遊客の駆け引き・心得などを説く。先例に『好色床談義』(1689)等あり、直接には西沢一風(いっぷう)の『風流三国志』(1708)の巻3ノ4「野傾宗旨談義」「野傾禁談義」に想を得るが、それを売色の諸相に拡大。「色道大全」というにふさわしく、また其磧好色物中の集大成ともいいうる。
[江本 裕]
『『評釈江戸文学叢書2 浮世草子名作集』復刻版(1970・講談社)』▽『野間光辰校注『日本古典文学大系91 浮世草子集』(1966・岩波書店)』
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…1700年刊の西沢一風の《風流御前義経記(ごぜんぎけいき)》,翌年の江島其磧(きせき)の《けいせい色三味線》より浮世草子は新方向をとる。演劇色・古典色の導入,世相への敏感な反応,趣向重視,整合性志向,長編化の傾向がそれで,頂点に立つ作は其磧の《傾城禁短気》(1711)であり,その間の都の錦,北条団水,青木鷺水(ろすい),月尋堂,錦文流の雑話物,武家物や実際の事件を脚色した長編作にも同じ風潮の反映がある。其磧は次いで《世間子息気質(むすこかたぎ)》(1715)などの気質物に新味を出し,1710年代以後人気歌舞伎・浄瑠璃翻案の長編の時代物を作る。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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