拍子幕(読み)ヒョウシマク

デジタル大辞泉 「拍子幕」の意味・読み・例文・類語

ひょうし‐まく〔ヒヤウシ‐〕【拍子幕】

歌舞伎で、幕切れ拍子木打ち方の一。初め一つ大きく打ち、続いて幕を引きながら小刻みに、徐々にテンポをゆるめ、引き終わったところでもう一つはっきりと打つ。

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精選版 日本国語大辞典 「拍子幕」の意味・読み・例文・類語

ひょうし‐まくヒャウシ‥【拍子幕】

  1. 〘 名詞 〙 歌舞伎で、拍子木をはじめに一つ大きく打ち、続いて早めに刻んで打ってゆき、次第に強く間を置いて打ちながら、その間に幕を引くこと。また、そのような拍子木の打ち方。
    1. [初出の実例]「戸をびっしゃりと閉(たて)て耳を閉(ふさ)ぐ、此所拍子幕(ヒャウシマク)の思入れ、大出来大出来」(出典黄表紙・齢長尺桃色寿主(1788))

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世界大百科事典(旧版)内の拍子幕の言及

【柝】より

…せりふや動作の止りでまず柝頭(きがしら)を入れ,気分の持続を見はからいながら,静かに刻み幕にしていく。閉幕時の刻み方にも,ゆっくりと打ち始めしだいに早く刻む〈本幕(ダラ幕)〉と,小さく刻んでしだいに音を高くしテンポをゆるめて刻む〈拍子幕〉とに使い分けられている。また芝居の続行中,チョチョンの軽い二丁をきっかけに,床(義太夫節)の御簾(みす)が上がり,または清元,常磐津連中の囲い(霞幕)がはずされ,演奏が始まる。…

※「拍子幕」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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