拍子木(読み)ヒョウシギ

デジタル大辞泉 「拍子木」の意味・読み・例文・類語

ひょうし‐ぎ〔ヒヤウシ‐〕【拍子木】

方柱形の堅い木で、打ち合わせて鳴らすもの。拍子をとったり、劇場などでの合図夜回り警戒などに用いたりする。

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精選版 日本国語大辞典 「拍子木」の意味・読み・例文・類語

ひょうし‐ぎヒャウシ‥【拍子木】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 方柱形にけずった短い二つの木で、打ち合わせてカチカチと鳴らし、拍子をとったり、合図や夜回りの警戒などに用いたりするもの。ヒノキ、ホオなどで作る。ほうしぎ
    1. 拍子木<b>①</b>〈戯場訓蒙図彙〉
      拍子木戯場訓蒙図彙
    2. [初出の実例]「ここらに用ひゃうし木を打つれぞ」(出典:玉塵抄(1563)四一)
  3. 銭二百文をいう江戸時代駕籠舁(かごかき)などの符丁
    1. [初出の実例]「弐百の事をひゃうし木、三百をがっしゃう」(出典:洒落本・品川楊枝(1799))

ほうし‐ぎハウシ‥【拍子木】

  1. 〘 名詞 〙ひょうしぎ(拍子木)〔文明本節用集(室町中)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「拍子木」の意味・わかりやすい解説

拍子木
ひょうしぎ

方柱形の短い二つの木を打ち合わせ、合図・拍子を知らせる用具。柝(き)ともいう。拍子木の起源は明らかではないが、合図をし、拍子をとり、また人々の注意を促すために、木や竹を打ち合わせる方法は、原始時代からあらゆる民族で行われていた。おそらくわが国では、拍子木は、古くは、物を打ち合わせ、音を発することによって悪霊を退散させることができるという宗教的な用途からできた呪具(じゅぐ)の一種であったと考えられる。そのことは、柏手(かしわで)や錫杖(しゃくじょう)、夜回りの拍子木などの機能からも推察することができよう。なお、拍子木のほか、読経(どきょう)の音木(おんぎ)、声明(しょうみょう)の割笏(かいしゃく)、雅楽の笏(しゃく)拍子、さらには、民俗舞踊などで拍子をとる、竹でつくった小切子(こきりこ)、綾竹(あやだけ)、チャッキラコなども、拍子木の一種として注意される。一方、同様のものは、タイ、ミャンマービルマ)など東南アジア各地でも行われている。

[宮本瑞夫]

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改訂新版 世界大百科事典 「拍子木」の意味・わかりやすい解説

拍子木 (ひょうしぎ)

(き)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「拍子木」の意味・わかりやすい解説

拍子木
ひょうしぎ

」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の拍子木の言及

【楽器】より

…なお,太鼓という名称をもっていても,スリット・ドラムのように木製打楽器に属するものや,銭太鼓のように〈がらがら〉に近いものなどもあるので,膜打楽器と太鼓とは必ずしも一致しない。 木製打楽器には拍子木やカスタネットのように打ち合わせる(拍奏)タイプと,木魚や魚板のように桴でたたく(桴奏)タイプとがある。後者のなかで,楽器としてより大きな機能をもったものが木琴である。…

【歌舞伎】より

…長唄と囃子のそれを〈出囃子(でばやし)〉,浄瑠璃系のそれを〈出語り〉と呼ぶ。 第3は〈(き)〉(拍子木)と〈ツケ〉である。〈柝〉は,幕明き,幕切れ,道具替りのきっかけなどを知らせる合図である。…

【柝】より

…神事や祭礼をはじめ民俗芸能,見世物,相撲,人形浄瑠璃,歌舞伎などの開始,段落,終了の合図として打たれる四角に削った二つの木片。拍子木ともいう。雅楽の笏拍子(しやくびようし)や声明(しようみよう)の割笏(かいしやく)のように,楽器としての性格の強いものから,夜番の拍子木のように合図として伝達する性格までの幅がある。…

【夜警】より

…江戸では,木戸番(番太郎と呼ばれる)が夜10時で木戸を閉め,それ以後の通行人は潜(くぐ)り戸から通し,不審者は直ちにつかまえた。木戸番は木戸閉鎖後には,通行者のあったことを拍子木を打って次の木戸へ知らせたが,これを継ぎ送りという。また木戸番は,御触などのあることを鉄棒を引いて知らせたり,夕方6時には拍子木を打って時を知らせた。…

※「拍子木」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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