法則の辞典 「拡張係数(界面)」の解説 拡張係数【spreading coefficient】 ある液体が,これと混ざらない別の液体か,もしくは溶解しない固体の表面にあって,広がろうとする傾向を表す量である.たとえば油1滴を水面上に落とした場合,その接触面では次の三つの力が働く.すなわち水の表面張力 γw,油の表面張力 γo,さらに水と油の界面張力 γwo である.もし γw>γo+γwo ならば油は水面上に広がるが,逆の場合には水面にレンズ状の油滴となって浮く. そこで S=γw-(γo+γwo)なる値をとると,これが油滴の水面上に広がる能力の目安となるが,これを「拡張係数」と呼ぶ.S の正負で,油が広がるかどうかが定まる. 出典 朝倉書店法則の辞典について 情報