流動パラフィン（読み）リュウドウパラフィン（その他表記）liquid paraffin

デジタル大辞泉

りゅうどう‐パラフィン〔リウドウ‐〕【流動パラフィン】

石油の比較的軽質の潤滑油留分から精製した無色・無味・無臭の油状液体。化粧品の原料や精密機械の潤滑油、軟膏の基剤などに用いる。白油。ホワイトオイル。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

りゅうどう‐パラフィンリウドウ‥【流動パラフィン】

1. 〘 名詞 〙 ( パラフィンは[英語] paraffin ) 軽質の潤滑油留分。無色、無臭。潤滑油、化粧品類、薬用（浣腸・軟膏など）に用いる。ホワイトオイル。白油。

出典　精選版 日本国語大辞典

改訂新版　世界大百科事典

流動パラフィン (りゅうどうパラフィン)
liquid paraffin

粘度の比較的低い脱蠟油を高度に精製したもので，ホワイトオイルwhite oilとも呼ばれる。JISおよび日本薬局方に，それぞれ工業用あるいは化粧用，医薬用の品質が定められ，無味，無臭，無色で，蛍光を発せず，化学的に安定で，無毒と規定されている。潤滑性，軟化性，可塑性，浸透性があって，石油製品，動植物油脂，蠟などとよく混和する。熱，光によって変質しにくく，電気絶縁性が高い。おもな用途は，化粧品・医薬品の原料，食品・合成樹脂・合成繊維加工用，エアフィルター・精密機械などの潤滑油である。
執筆者：冨永 博夫

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

日本大百科全書(ニッポニカ)

流動パラフィン
りゅうどうぱらふぃん
liquid paraffin

ホワイトオイルともよばれる無味、無臭、無色透明の油で、ナフテン系炭化水素が主成分である。石油の常圧蒸留残油を減圧蒸留して留出した油を精製し、ろう分を濾過(ろか)分離して得られる。沸点は300℃以上で、比重は0.85～0.94である。流動パラフィンには工業用および薬局方流動パラフィンがあり、後者は高度に精製したもので、クリーム、ベビーオイル、ヘアーオイルなどに用いられる。工業用のものは、精密機械油、ポリスチレンの滑剤、合成繊維の柔軟仕上げ剤などに用いられる。

［難波征太郎］

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

化学辞典 第2版

流動パラフィン
リュウドウパラフィン
liquid paraffin

比較的粘度の低い潤滑油留分，たとえばスピンドル油留分から，硫酸洗浄，白土処理などによって不飽和炭化水素や硫黄，窒素分などを除去し，高度に精製した石油製品のこと．外観がパラフィンろうを溶融流動状にしたものに酷似するためにこの名があるが，主成分はアルカンではなく，アルキルナフテン炭化水素の混合物である．医薬用，化粧品用の原料，精密機械油などに使用される．

出典　森北出版「化学辞典（第2版）」

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

流動パラフィン
りゅうどうパラフィン
liquid paraffin

白油 (ホワイトオイル) ともいわれる。常温で液状，比較的粘性の低いパラフィン。無色無臭透明で揮発性が低く，アルキルナフテン類が主成分である。精密機械や冷凍機などの潤滑油となり，化粧品原料ともなる。高度に精製したものは薬用流動パラフィンとして，軟膏剤の基礎剤や浣腸剤などに用いられる。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

百科事典マイペディア

流動パラフィン【りゅうどうパラフィン】

粘度の低い潤滑油を脱蝋し，高度に精製したもの。ホワイトオイルwhite oilとも。無色透明，無味，無臭の油状液体。名はパラフィンであるが，成分としては直鎖炭化水素はむしろ少ない。薬用，化粧用，精密機械油用などに使われる。

出典　株式会社平凡社

栄養・生化学辞典

流動パラフィン

　炭化水素の混合物で，粘稠な液体．パンの製造などに用いられる食品添加物．

出典　朝倉書店