拭(漢字)

普及版 字通 「拭(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 9画

[字音] ショク
[字訓] ぬぐう・きよめる

[字形] 形声
声符は式(しき)。式は呪具の工をもってものを清め祓う意。〔爾雅、釈詁〕に「むるなり」とあり、汚れを拭うことをいう。〔儀礼聘礼〕に「北面して坐して圭(玉)を拭ふ」とみえる。〔公羊伝、哀十四年〕に、獲麟の報をえたとき孔子が「孰爲(なんす)れぞ來(きた)れるや」と嘆き、「袂(たもと)を反(かへ)して面を拭ふ。涕(なみだ)袍を沾(うるほ)せり」としるしている。拭うことの本字は(飾)・刷、いずれも布を身に帯びる形の字で、拭と同声、拭はの通用の字である。

[訓義]
1. ぬぐう、ふく、ふきとる。
2. きよめる。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕拭 ノゴフ・キヨシ・ハク 〔字鏡集〕拭 ハク・ワタル・キヨシ・トコフ

[語系]
拭・sjikは同声。拭は儀礼のときに用い、は〔説文〕七下に「(ぬぐ)ふなり」と訓し、(し)(食事)と巾とに従い、食事の際に帯びるものである。(帥)・sjiuatは声近く、みな佩巾の類。これを払拭するを(刷)shoatといい、同じく巾を帯びる形に従う。払拭して清潔をえたことを察tsheatといい、その状を察察という。

[熟語]
拭擦拭眥拭塵拭清拭払拭抹拭面拭目拭涙
[下接語]
按拭・瑩拭・拭・掃拭・払拭・拭・磨拭

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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