掏替(読み)すりかわる

精選版 日本国語大辞典 「掏替」の意味・読み・例文・類語

すり‐かわ・る ‥かはる【掏替】

〘自ラ五(四)〙 気づかないあいだに、物がかわってしまう。こっそりとほかの物にかわる。
怪談牡丹燈籠(1884)〈三遊亭円朝一八「首に掛けた大事の守りが掏代(スリカハ)ってゐたと云ふが」
半七捕物帳(1923)〈岡本綺堂勘平の死「どうして本身の刀と掏替(スリカハ)ってゐたか

すり‐か・える ‥かへる【掏替】

〘他ア下一(ハ下一)〙 すりか・ふ 〘他ハ下二〙 他人に気づかれないように、こっそりと取りかえる。多く、他人の持っているよい品物や自分の必要とする物を、自分の持っている悪い品物や不必要な物とかえる場合にいう。議論主題などの抽象的な物事についても用いる。
※虎寛本狂言・真奪(室町末‐近世初)「すれば最前真を取らう取らうと存てばひ合ふ内に、真とお太刀とをすりかへた物で御ざらう」

すり‐かえ ‥かへ【掏替】

〘名〙 他人に気づかれないように、こっそりと物を取りかえること。また、そのもの。話の主題や論点をこっそりと変えてしまうことなどにもいう。
滑稽本・古朽木(1780)四「此奴こそいましめてくれんと、両手を明て待て居たるに、そち百足小判のすり替(カヘ)に、布施ない経もどきで一盃喰せし故」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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