排ガス規制(読み)はいがすきせい

知恵蔵 「排ガス規制」の解説

排ガス規制

自動車から出る排ガスには窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素、粒子状物質(PM:Particulate Matter)などの有害物質が含まれる。国はそれぞれの物質の排出規制値をガソリン車とディーゼル車の車種ごとに定めている。ガソリン車は1978年の規制強化(排出量=NOxは1km当たり0.48g)で対策が進み、2000年と05年に強化(同0.08g)。遅れていたディーゼル車規制は90年代から始まり、2005年の規制でEU水準に追いついた。ディーゼル車はガソリン車に比べて窒素酸化物の排出量は数倍から数十倍、ガソリン車から出ない発がん物質のPMを排出し、大気汚染公害の元凶とされる。国は92年に自動車NOx削減法を制定首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)と近畿圏(大阪、兵庫)で所有のディーゼルトラックを最新車やガソリン車に強制転換させた。01年にはNOx・PM法に改正、地域を愛知県と三重県にも拡大、新たにPM規制を導入した。東京都は00年12月に環境確保条例を制定。都の呼びかけで、埼玉、千葉、神奈川の3県も都と同様の条例を制定。03年10月から新型のトラックに買い換えるか、既存車にPM除去装置をつけないと首都圏を走れなくなった。

(杉本裕明 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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