掩手(読み)えんしゅ(その他表記)Impositio manuum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「掩手」の意味・わかりやすい解説

掩手
えんしゅ
Impositio manuum

ユダヤ教に発しキリスト教に取入れられた典礼行為。ミサにおいて聖変化 (パンをキリストの真のからだに,ぶどう酒をその血に変えること) の前,司祭カリス (聖杯) とホスチア (パン) の上に両手を伸ばすことをいう。いけにえをほふるときのモーセの掟に由来し,司祭がいけにえとともにわが身を献げ,司祭としてすべての人の身代りたるいけにえを捧げる意を表わす。ミサ以外でも物や人間の上に手を置くか,またはおおうことによって,祝福,権能を与え義務を課すことを示す。これは旧約,新約いずれの聖書にも先例がある。手と物あるいは人間との間隔が小さいとき「按手」 (あんしゅ) といい,洗礼,堅信,病者叙階の秘跡授与の場合に行われる。

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