日本大百科全書(ニッポニカ) 「掩網」の意味・わかりやすい解説
掩網
かぶせあみ
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漁業の網漁具のうち、運用漁具の一つで、魚群の上方から網をかぶせかけて漁獲する漁法の網具類をいう。円錐状の網型で浮子(あば)は取り付けていない。網裾(あみすそ)部に沈子(ちんし)を取り付け、円錐状の先端に投げ縄を結着させてある。投網もその一種である。
1人の人力で網を投げ打つ（投げ入れる）のだが、その際に網裾が平均的に広がるよう投げ打ち、投げ縄の先端部分を自分の腕にからませておく方式を投網(とあみ)（打ち網）という。この投網を大型化し数人で投げ打つ方法を卸網(おろしあみ)という。また、網裾部に木製・竹製の枠で固定した袋状の網を張った提灯網(ちょうちんあみ)などがある。
主として河川や湖沼でアユ、フナ、コイ、ハゼ、ウグイなどの淡水魚を漁獲対象とするが、海でも海岸近くでボラ、クロダイなどの海水魚を漁獲対象とし、遊漁用の漁具として使用されることが多い。
［添田秀男・吉原喜好］
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