掻切(読み)かききる

精選版 日本国語大辞典 「掻切」の意味・読み・例文・類語

かき‐き・る【掻切】

〘他ラ四〙 (「かき」は接頭語) いきおいよく物を切る。切り取る。かいきる。かっきる。
今昔(1120頃か)二〇「魚大(おほき)にて不被取ねば、草茢る鎌と云ふ物を以(もて)、鰓(あぎと)を揆切(かききり)て」
平家(13C前)一二「涙をはらはらとながいて高声十念となへつつ、腹かき切てぞ死にける」

かっ‐き・る【掻切】

〘他ラ五(四)〙 (「かっ」は接頭語)
① 切りはなす。腹などを、刀を当てて切る。
忠直卿行状記(1918)〈菊池寛〉五「此場合腹をかっ切って死諫を進めるのが、臣下としての本分ぢゃ」
② 溶けた金属の流れをすくいとることをいう、工員仲間の語。

かい‐き・る【掻切】

〘他ラ四〙 「かききる(掻切)」の変化した語。
大和(947‐957頃)一〇三「いとながかりける髪をかいきりて手づから尼になりにけり」

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