十念(読み)じゅうねん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

十念
じゅうねん

仏教用語。 (1) 一般的には,十種のことに思いをこめ,心をこめて集中すること。種とは,仏,法,僧,戒,施,天,休息 (ぐそく) ,安般 (ānāpānaの音写で呼吸の出入) ,身非常,死。 (2) 浄土教では,十念仏をいう。南無阿弥陀仏抑揚をつけて十たび称えること。

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デジタル大辞泉の解説

じゅう‐ねん〔ジフ‐〕【十念】

仏語。
仏・法・僧・戒・施・天・休息(ぐそく)・安般(あんぱん)・身非常・死の十について念ずること。十随念。
阿弥陀仏の相好を10度観想すること。また、「南無阿弥陀仏」の名号を10度唱えること。
浄土宗で、導師が信者に「南無阿弥陀仏」の名号を唱え授けて仏縁を得させること。「十念を授ける」

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世界大百科事典 第2版の解説

じゅうねん【十念】

〈南無阿弥陀仏〉と阿弥陀仏の御名(みな)を10ぺん唱えること。《無量寿経》には十念によって阿弥陀仏の極楽浄土に往生できると説かれ,浄土教義の重要な根拠となっている。この十念を,唐の善導は《観無量寿経》の〈至心に声をして絶えざらしめ,十念を具足して南無阿弥陀仏と称す〉の文によって十声の称念と解し(《観経疏》),法然も〈声はこれ念,念は即ちこれ声〉とのべ(《選択(せんちやく)本願念仏集》),十声ととらえている。

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大辞林 第三版の解説

じゅうねん【十念】

〘仏〙
阿弥陀仏を10度念ずること、または念仏を10度唱えること。
念仏・念法・念僧・念戒・念施・念天・念休息ぐそく・念安般・念身・念死の総称。

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精選版 日本国語大辞典の解説

じゅう‐ねん ジフ‥【十念】

〘名〙 仏語。
① 一〇種の心念。すなわち、念仏・念法・念僧・念戒・念施・念天・念休息・念安般(ねんあんぱん)・念身非常・念死の総称。
② 阿彌陀仏の相好を一〇遍つづけて観想すること。またはその御名を一〇遍唱えること。十念称名。〔往生要集(984‐985)〕 〔往生論註‐上〕
③ 慈心・悲心・護法心など一〇種のおもいを数えたもの。「彌勒所問経」に説くとされている。〔往生要集(984‐985)〕
④ 浄土宗・時宗で、僧が南無阿彌陀仏の名号を信者に授けて結縁(けちえん)させること。→十念を授く
※謡曲・遊行柳(1516頃)「かくて老人上人のおん十念を賜(たま)はり、おん前を立つと見えつるが、朽ち木の柳の古塚に、寄るかと見えて失せにけり」

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世界大百科事典内の十念の言及

【大無量寿経】より

…法蔵菩薩の誓願は漢・呉訳では24であるが,増広された魏訳の48願の形で親しまれている。なかでも第18願では,〈十方世界の衆生が心を専一にして(至心)深く信じ(信楽)極楽に往生したいと願い(欲生),わずか10回でも心を起こす(十念)ならば,必ず極楽に往生できる〉と説いている。この〈十念〉が10回の念仏と解され,中国,日本における念仏による往生の思想の根拠として重視されるにいたった。…

※「十念」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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