掻曇(読み)かきくもる

精選版 日本国語大辞典 「掻曇」の意味・読み・例文・類語

かき‐くも・る【掻曇】

〘自ラ四〙 (「かき」は接頭語)
① 雲や霧などにおおわれて空が急に暗くなる。
古今(905‐914)恋五・七七五「月夜には来ぬ人待たるかきくもり雨も降らなんわびつつも寝ん〈よみ人しらず〉」
② 涙で目の前がぼんやりとしている。
源氏(1001‐14頃)椎本「心憂くも過ぎにける日数かな、と思すに、又、かきくもり、もの見えぬ心ちし給へば」
③ 鏡やガラスなどの表面がくもる。
説経節・をくり(御物絵巻)(17C中)八「ちゑのかがみも、かきくもり」
④ 心が暗くなる。
幸若・しつか(室町末‐近世初)「此程は心のやみにかきくもり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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