つき‐よ【月夜】
月のある夜。月光の明るい夜。また、月。月光。つくよ。
つく‐よ【▽月夜】
「つきよ」に同じ。
「うちなびく春を近みかぬばたまの今宵の―霞みたるらむ」〈万・四四八九〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
げつ‐や【月夜】
〘名〙 月の照り輝いている夜。つきよ。
※懐風藻(751)「月夜坐二河浜一〈葛井広成〉」
※海潮音(1905)〈上田敏訳〉象「あるは月夜(ゲツヤ)の清光に白みしからだ、うちのばし」 〔旧唐書‐銭徽伝〕
つき‐よ【月夜】
〘名〙
① 月や月の光。また、月のあかるい夜。月の照りわたった夜。あるいは月の光に照らし出された夜の景色なども含めていう。つくよ。
※古今(905‐914)恋四・六九二「月夜よしよよしと人につげやらばこてふににたりまたずしもあらず〈よみ人しらず〉」
※吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一一「ランプはいつの間にか消えて居るが、月夜(ツキヨ)と思はれて窓から影がさす」
② 特に、秋の明月の夜。また、秋の月。《季・秋》
※俳諧・武蔵曲(1682)秋「闇の夜は吉原ばかり月夜哉〈其角〉」
③ 飯鮨(いいずし)をいう女房詞。
※御湯殿上日記‐延宝四年(1676)三月一六日「にし本くゎん寺より藤のはな、月夜しん上」
[補注]上代の用例は「つきよ」と読む確例がないので、「つくよ」の項にまとめた。
つく‐よ【月夜】
※書紀(720)雄略九年七月(前田本訓)「伯孫女児
(をのこ)を産
(うまは)りせりと聞きて往きて聟
(むこ)の家を賀
(よろこ)ひて月夜
(ツクよ)に蓬
(いちひこ)の丘の誉田
(おふた)の陵
(みささき)の下に還る」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報