提鞘(読み)さげざや

精選版 日本国語大辞典 「提鞘」の意味・読み・例文・類語

さげ‐ざや【提鞘】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 僧侶などが携える小刀。柄も鞘も木でつくり、金具をつけ、合口(あいくち)のように鞘を太く、鞘尻を丸くつくったもの。長い打紐を下げ緒とし、それに火打袋をつけた。
    1. 提鞘<b>①</b>〈七十一番職人歌合〉
    2. [初出の実例]「さけざやを抜て其縄を切つ」(出典:神宮文庫本発心集(1216頃か)三)
    3. [その他の文献]〔剣法略記(1839)〕
  3. 短い腰刀に長い鞘袋をかけたもの。その先端が折りかけて垂れているところからいう。
    1. [初出の実例]「裳なし衣に提鞘(サゲサヤ)さげて降人に成て出ければ、見人毎に爪弾(つまはじき)して」(出典太平記(14C後)二九)
  4. 茶人の携える小刀。〔随筆・海録(1820‐37)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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