提鞘(読み)さげざや

精選版 日本国語大辞典 「提鞘」の意味・読み・例文・類語

さげ‐ざや【提鞘】

〘名〙
僧侶などが携える小刀。柄も鞘も木でつくり、金具をつけ、合口(あいくち)のように鞘を太く、鞘尻を丸くつくったもの。長い打紐を下げ緒とし、それに火打袋をつけた。
※神宮文庫本発心集(1216頃か)三「さけざやを抜て其縄を切つ」 〔剣法略記(1839)〕
② 短い腰刀に長い鞘袋をかけたもの。その先端が折りかけて垂れているところからいう。
太平記(14C後)二九「裳なし衣に提鞘(サゲサヤ)さげて降人に成て出ければ、見人毎に爪弾(つまはじき)して」
③ 茶人の携える小刀。〔随筆・海録(1820‐37)〕

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