撓(漢字)

普及版 字通 「撓(漢字)」の読み・字形・画数・意味


15画

[字音] ドウダウ)・ジョウ(ゼウ)
[字訓] たわむ・みだす・かがむ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は堯(尭)(ぎよう)。堯に鐃(どう)・饒(じよう)の声がある。〔説文〕十二上に「擾(みだ)すなり」という。堯は窯に土器を積み重ねておく形。ゆえに撓(たわ)む意となる。これを窯中に遶(めぐ)らし、高熱を加えて焼く。土器を所狭く並べたてるので、「擾る」という訓を生ずるのであろう。人に及ぼしては(じよう)といい、猥(みだ)りがわしいことをいう。

[訓義]
1. たわむ、重さでまがる、きしむ。
2. みだす、かきみだす、ちらす。
3. かがむ、よわまる、へる。
4. 揉と通じ、かがむ、たわむ、うごく。
5. 繞と通じ、めぐる、まとう。

[古辞書の訓]
名義抄〕撓 タハム・メグル・ツタナシ・スヱ・ヨロシ・ウル・オヤマス・ネヤス・ミダル・ウゴカス・タヲヤカナリ・ヲル・ミダス 〔立〕撓 ネヤス・タヲヤカナリ・カリ・メグル・ヨロシ・ネタム・ヲゴカス・スルル・マガル・ミダル・ナヤマス・タハメリ・サカシ

[語系]
撓n、繞・遶njiは声義近く、みな焼成のために土器をめぐらす意で堯の声義を承ける。擾njiuは声義の近い語であるが、憂えによって思いみだれる意である。

[熟語]
撓壊撓滑・撓曲・撓屈撓勾撓鉤撓挫撓辞撓情撓折撓節撓退撓挑・撓直・撓撓撓撓敗・撓伏・撓法・撓北撓悶撓抑・撓乱
[下接語]
枉撓・回撓・陥撓・危撓・驚撓・曲撓・屈撓・鼓撓・私撓・色撓・柔撓・情撓・侵撓・振撓・折撓・敗撓・煩撓・不撓・膚撓・風撓・利撓

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報