撓撓(読み)タワタワ

デジタル大辞泉 「撓撓」の意味・読み・例文・類語

たわ‐たわ【××撓】

[形動][文][ナリ]枝などがたわみしなうさま。
「下の蜜柑は…大きな木ばかりへ―にまぶれ附いてっている」〈三重吉小鳥の巣〉

しわ‐しわ【××撓】

[副]物がしなったり、へこんだりするさまや、その音を表す語。
「ふやけて、踏む度に―と鳴る畳が」〈里見弴・今年竹〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「撓撓」の意味・読み・例文・類語

たわ‐たわ【撓撓】

  1. [ 1 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 木の枝などがたわみしなうさま。また、美人がいかにも優美でなよやかなさま。
    1. [初出の実例]「あしひきの山路も知らず白橿(しらかし)の枝もとををに雪の降れれば 或云 枝も多和多和(タワタワ)」(出典万葉集(8C後)一〇・二三一五)
    2. 「母のやうな和かい日影は、たわたわに実った蜜柑に、ちらほらと色を附けてゐる」(出典:小鳥の巣(1910)〈鈴木三重吉〉下)
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる ) [ 一 ]に同じ。
    1. [初出の実例]「白っぽく煙り立つような染井吉野の大木が、たわたわと揺れて」(出典:入江のどんど(1972)〈大原富枝〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「撓撓」の読み・字形・画数・意味

【撓撓】どうどう・じようじよう

動く。

字通「撓」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android