撫切(読み)なでぎり

精選版 日本国語大辞典 「撫切」の意味・読み・例文・類語

なで‐ぎり【撫切】

〘名〙
① 撫でるようにして刃物で斬ること。刃物を物におしつけておいてすっと切ること。
今昔(1120頃か)二六「此の暑預(やまのいも)を削つつ撫切に切る」
大勢の敵を、あまさず切り倒すこと。多く相手を残らず切りすてること。皆殺しにすること。
※最上義光宛伊達政宗書状‐天正一三年(1585)閏八月二七日「五百余人討捕、其外女、童申におよはつ犬訖なて切に為成候条」
③ かたはしから相手をうちまかすこと。多くの相手を自分の思いどおりにすること。
三河物語(1626頃)三「信長、伊賀之国をきりとらせ給ひて、なできりにして」
東京の三十年(1917)〈田山花袋山の手空気「縦横無尽に文壇になで斬(ギリ)を試みたのは」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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