政府調達(読み)せいふちょうたつ(英語表記)government procurement

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「政府調達」の意味・わかりやすい解説

政府調達
せいふちょうたつ
government procurement

政府機関や地方行政機関などの公共部門が購入またはリースによって行なう物品・サービスの調達。国内産業の育成や国家安全保障の観点から,各国では国内産品が積極的に調達されてきたが,大規模な予算の執行を伴う場合が多いこと,外国企業が市場から排除されることなどにより,国際貿易において少なからぬ貿易摩擦を生んだ。関税貿易に関する一般協定ガット)も当初,政府調達を内国民待遇規則から適用除外としていたが,主要締約国間で非関税障壁にあたると問題視されたため,1979年の東京ラウンドにおいて公平かつ透明な政府調達手続きを規定する協定(旧協定)が成立した。その後,1994年に旧協定の適用範囲をサービス分野や地方行政機関などに広げた「政府調達に関する協定」Agreement on Government Procurement; GPAが作成された。また 2012年には発展途上国への特別措置や調達手続きの簡素化を GPAに盛り込んだ改正議定書が署名された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の政府調達の言及

【GATT】より

…東京ラウンドの成果としては,まず関税引下げについては関税率の高いものほど大幅な引下げを行うハーモニゼーション方式がとられ,80年から8年間に基準税率比で日本が50%弱,アメリカが30%前後,ECが25%前後と引き下げられた。 次に,いままでその重要性を指摘されてきた非関税障壁についてもメスが入れられ,〈政府調達〉〈スタンダード〉〈補助金・相殺関税〉〈関税評価〉に関する国際協定が合意された。しかし特定商品の輸入急増が国内産業に大きな被害を与える場合に発動する緊急輸入制限(セーフガード規定,GATT19条)については,これを特定国について認める(選択的にする)か否かをめぐって紛糾し,ついに合意対象からはずされ,引き続き討議されることになった。…

※「政府調達」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android