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出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
…一方,日本側の姿勢の変化をみると,日米繊維交渉のころよりは,国際的相互依存の論理をかなり理解するようになり,狭い〈国益〉を追求するかたくなな態度は避けるようになってきてはいる。しかし,年々拡大していく日米貿易不均衡が引金となって,アメリカが日本側に農産物,高度技術,資本・金融などの市場開放を要求するという形での貿易摩擦(これには日米貿易摩擦だけでなく日欧貿易摩擦もある)が多発してきており,それに対する日本の外圧依存型の受身の姿勢はいまだ変わっていない。アメリカが以前のように自由貿易体制維持のための強力な指導力を発揮できなくなっている今日,西側第2の経済大国となった日本は中・長期的展望に立って,国内的要請と対外的要請との間のバランスをとりつつ,自由化政策を主体的に推進していく必要がある。…
…そして80年代に入ると,70年代の経済的混乱の影響による世界的な不況の深化を背景に,GATTの努力やOECDの貿易自由化宣言にもかかわらず,いっそう保護貿易の傾向が強まっている。これは,日本からの輸出増大により,日・米間や日・EC間に貿易収支不均衡問題が発生し,同時にアメリカやヨーロッパで失業率が急増したこと(いわゆる貿易摩擦,経済摩擦)によるものである。もとより,このような傾向に歯止めをかけようとする主張も存在し,83年のウィリアムズバーグ・サミット(先進国首脳会議)においても,少なくとも表面的には自由貿易体制の維持が合意されている。…
※「貿易摩擦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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