政治的なものの概念(読み)せいじてきなもののがいねん(その他表記)Der Begriff des Politischen

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「政治的なものの概念」の意味・わかりやすい解説

政治的なものの概念
せいじてきなもののがいねん
Der Begriff des Politischen

ドイツの公法学者 C.シュミットの代表的著作の一つ。初版 1927年。道徳においては「善=悪」が,美学においては「美=醜」が固有の標識であるように,「政治的なもの」に固有の標識は「友=敵」であるというテーゼを出発点において,敵か味方かを識別して敵を殲滅するところにこそ政治の本質があると論じる。このような立論から国家権力の絶対的優位性が導き出され,英米流の自由主義国家観は政治を討論妥協とに解消するものとして断罪される。この非難は具体的にはワイマール共和制に向けられたものであり,その意味でこの著作は,のちのヒトラー独裁を理論的に根拠づける役割を果した。

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