ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「救済史」の意味・わかりやすい解説
救済史
きゅうさいし
Heilsgeschichte; salvation history
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…〈新しい契約〉というのは旧約の預言者エレミヤの言葉であるが,それがキリストにおいて成就し,そしてキリスト教会はその〈新しい契約〉を聖餐式において祝う(キリストが最後の晩餐――それが聖餐式の起源――のとき〈これは,多くの人のために流すわたしの契約の血である〉と語ったことが《マルコによる福音書》14章24節にしるされており,《コリント人への第1の手紙》11章25節には〈この杯は,わたしの血による新しい契約である〉としるされている)。 契約の思想は,神と人間との関係に人格的倫理的質を与えただけでなく,〈古い契約〉と〈新しい契約〉という歴史的視野を与え,いわゆる〈救済史Heilsgeschichte〉という世界史的展望をもつ神学思想を生み出した。古代キリスト教世界ではエイレナイオスが救済史神学を樹立し,近代においては17世紀イギリスおよびアメリカのピューリタンたちや,ヨーロッパ大陸の改革派の神学者コッツェーユスJohannes Coccejus(1603‐69)が〈契約神学〉によって契約概念を新しく展開した。…
※「救済史」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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