普及版 字通 「敖」の読み・字形・画数・意味


11画

[字音] ゴウ(ガウ)
[字訓] あそぶ・おごる

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
土(長髪)+方+攴(ぼく)。方は架屍の象。上に長髪があるのは老人の象。敖は長髪の人の屍を架してこれを殴(う)ち、その呪霊を以て呪詛を加える呪儀をいう。放・敖・(きよう)、また(微)・(徴)なども、みなそのような呪儀を示す字。〔説文四下に「出游するなり」とするが、(遊)・遨はもと神霊の出遊することをいう語であった。また〔説文〕に字を出と放とに従う会意とするが、その出の形は、もと長髪の形を誤り解したものである。

[訓義]
1. あそぶ、神霊が出遊する、神霊をうごかす。
2. おごる、神霊をうっていましめる、神霊をほしいままにする。
3. たわむれる、遊遨とはもと神の出遊することをいう。
4. 嗷・・囂と通じ、かしましい。架屍をうつときの声をいう。

[古辞書の訓]
名義抄〕敖 アソブ・オゴル・アタル・タハブレ〔字鏡集〕敖 アタル・ササグ・アソブ・オゴル・ウツ・タハブレ

[声系]
〔説文〕に敖声として嗷・・傲・など十一字を録する。おおむね敖の声義を承け、その呪儀に関する字である。

[語系]
敖・遨・傲・ngは同声。(ごう)は〔説文〕十下に「(あなど)るなり」とあり、敖系の倨傲の意と同じ。またnguはその声が近く、「游敖」「」は〔詩、斉風、載駆〕にみえ、もと神威をかりて示威的行動をとることをいう。

[熟語]
敖頑敖戯・敖客敖倨敖倪・敖庫敖敖敖炙敖翔・敖食・敖然敖惰・敖敖蔑敖暴敖慢・敖民敖游・敖遊敖廩敖弄
[下接語]
逸敖・嬉敖・倨敖・踞敖・謹敖・喧敖・笑敖・怠敖・大敖・築敖・游敖・遊敖

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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