教学大旨(読み)きょうがくたいし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「教学大旨」の意味・わかりやすい解説

教学大旨
きょうがくたいし

改正教育令期における精神的支柱となった教育方針。1879年(明治12)夏に示された「教学に関する聖旨」(教学聖旨)に「小学条目二件」とともに含まれている。その第1条では、「教学ノ要、仁義忠孝ヲ明ラカニシテ、知識才芸ヲ究メ、以(もっ)テ人道ヲ尽スハ、我祖訓国典ノ大旨」と、仁義忠孝を核とする皇国主義的教育思想がうたわれている。教学聖旨は、教育令公布の直前に元田永孚(もとだえいふ)の筆により元老院審議を経て提出された。それは、学制における実学主義から皇国主義への転換を示したもので、改正教育令での修身科重視の政策に反映した。後の「小学校教則綱領」「小学校教員心得」「幼学綱要」などに影響をもち、さらには「教育勅語」の原型となった点でも重要である。

[大槻宏樹]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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