敷島や（読み）シキシマヤ

デジタル大辞泉

しきしま‐や【敷島や】

［枕］「やまと」にかかる。
「―やまとしまねも神代より」〈新古今・賀〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

しきしま‐や【敷島や】

1. 枕
2. ① 「やまと」にかかる。かかり方は「しきしまの①②」に同じ。「やまと」は日本全体をさすことが多い。
   1. [初出の実例]「敷島ややまとにはあらぬなでしこの花はむべこそ世に似ざりけれ」(出典：公任集（1044頃）)
3. ② ( 転じて ) やまと地方の各地の地名にかかる。大和の国の、の意を含めたものか。
   1. [初出の実例]「敷島やふるの都は跡絶えてならしの岡にみ雪つもれり」(出典：按納言集（1186‐87頃）)
   2. 「しきしまや三輪の檜原もよろづ代の君がかざしと折りやそめけん」(出典：壬二集（1237‐45）)
4. ③ ( ①から転じて ) 「やまと」の「やま」と同音の「山(やま)」にかかる。
   1. [初出の実例]「敷島や山飛び越えて来る雁のつばさあらはに澄める月影〈土御門院〉」(出典：新後撰和歌集（1303）秋上・三三〇)
5. ④ 「道」または「満ち」にかかる。かかり方は「しきしまの③」に同じ。「道」にかかる場合は歌道の意をこめることが多い。
   1. [初出の実例]「しきしまや絶えぬる道に泣く泣くも君とのみこそ跡をしのばめ〈寂然〉」(出典：山家集（１２Ｃ後）下)
   2. 「しきしまや満ちくる潮の大淀やみるめも飽かずあまの釣舟〈荒木田成定〉」(出典：広本拾玉集（1346）五)

出典　精選版 日本国語大辞典