改訂新版 世界大百科事典 「文字表示装置」の意味・わかりやすい解説
文字表示装置 (もじひょうじそうち)
character display
コンピューターの出力装置の一種。キャラクターディスプレーともいう。陰極線管(CRT)その他の表示装置のスクリーン上にアルファベット,仮名,漢字などの文字を表示する。鍵盤と組み合わせてコンピューターとの会話的処理を行うのに使用される。表示文字はふつうドットマトリックスで表され,アルファベット,数字,仮名文字までを表示する装置であれば1文字を7×9ドット程度,漢字まで表示する装置では16×16あるいは24×24ドットが使用される。
表示される文字情報は文字コードの形で表示装置内の表示データメモリーに蓄積される。この文字コードはCRTのスキャン(走査)に合わせて順次読み出され,ドットマトリックス信号に変換されてCRTのスキャン信号に与えられる。この文字情報のメモリーはスキャンに合わせて繰り返し読み出されるので,リフレッシュメモリーと呼ばれる。文字コードを表示する字形のドットマトリックスに変換する回路は文字パターンを記憶させた読出し専用メモリーであるが,これをとくに文字発生器character generatorと呼ぶ。
CRTのほかに文字表示に使用する装置として,プラズマディスプレーパネル,エレクトロルミネセンスパネル,液晶パネルなどの平面パネルがくふうされている。いずれもパネルを細かいメッシュ状に構成し,ドットマトリックスで文字を構成させる。
執筆者:林 英治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報