文引(読み)ぶんいん

山川 日本史小辞典 改訂新版 「文引」の解説

文引
ぶんいん

路引(ろいん)・吹嘘(すいきょ)(吹挙)・行状(こうじょう)とも。対馬島主宗氏が,李氏朝鮮への通交者に対して与えた渡航証明書。1426年(応永33)宗貞盛がその運用を朝鮮側に要請し,38年(永享10)貞盛と朝鮮の間の約条で制度的に確立。15世紀後半には,すべての通交者が文引をもつことを義務づけられた。朝鮮沿岸に出漁する対馬の漁船にも,船の大小・乗員数を記した宗氏の文引が発給され,これも孤草島釣魚(こそうとうちょうぎょ)禁約で制度化した。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の文引の言及

【図書・文引】より

…15世紀以降,日朝通交貿易者の統制上,発給された印(図書)および渡航証(文引)。図書とは,朝鮮国王が発給する銅製の私印のことで,1418年(応永25)に初めて造られた。…

※「文引」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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