文無(読み)もんなし

精選版 日本国語大辞典 「文無」の意味・読み・例文・類語

もん‐なし【文無】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) ( 「いちもんなし(一文無)」の略 ) 所持金がまったくないこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「文(モン)なしでは仕様がねえ」(出典:歌舞伎・日月星享和政談(延命院)(1878)六幕)
  3. 並みはずれて大きい足袋。一二文より大きい足袋。

あや‐な【文無】

  1. ( 形容詞「あやない」の語幹 ) あやないと感じること。多く感動表現に用いられる。
    1. [初出の実例]「山吹はあやなな咲きそ花見んと植ゑけん君がこよひこなくに〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)春下・一二三)
    2. 「あやなやきのふけふ迄も、よそにいひしが明日よりは」(出典:浄瑠璃・曾根崎心中(1703)道行)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

USスチール買収問題

日本製鉄は2023年12月、約141億ドル(約2兆2千億円)で米鉄鋼大手USスチールを完全子会社化する計画を発表した。国内の鉄鋼市場が先細る中、先進国最大の米国市場で、高級鋼材需要を取り込み、競争力...

USスチール買収問題の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android