日本大百科全書(ニッポニカ) 「斉藤山遺跡」の意味・わかりやすい解説 斉藤山遺跡さいとやまいせき 熊本県玉名(たまな)市天水町尾田(てんすいまちおた)字正法寺平、通称斉藤山の崖端(がいたん)にある弥生(やよい)文化初頭の貝塚で、鹹水(かんすい)産の貝を主とする。弥生文化初頭の板付(いたづけ)Ⅰ式土器と、縄文文化終末の夜臼(ゆうす)式土器が共伴し、両文化の転換期を示す重要な遺跡である。これらの土器に伴い磨製石器や打製石器、石匙(せきひ)、石鏃(せきぞく)のほかに、長さ4.2センチメートル、幅5.5センチメートルの鉄斧(てっぷ)が出土している。この鉄斧は名実ともに日本最古の遺例で、分析の結果鍛造品であるという。[乙益重隆] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例