日本歴史地名大系 「新又口用水」の解説 新又口用水あらまたぐちようすい 富山県:砺波市新又口用水近世初頭の東遷以前に千保(せんぼ)川筋を主流としていた庄川の左岸、大門(おおかど)地先から分流していた新又川・祖父(そふ)川の流路を整備して成立した用水。北西へ流れ、出町(でまち)地区の北、中村(なかむら)地内で二筋に分れる。東寄りの東新又川はほぼ北流して末は祖父川となり、西寄りの西新又川は若林口(わかばやしぐち)用水流末の山王(さんのう)川と合流して荒俣(あらまた)川となり、いずれも小矢部(おやべ)川へ入る。寛文一〇年(一六七〇)からの松川除(まつがわいけ)築堤による庄川東遷後、用水路を千俣川跡から庄川筋まで延ばし、中野(なかの)村地先に取入口を設けたとみられる。当初の取水口が大門村地先にあったためか、当用水の水下村は近世には弁才天前水下銀(松川除堤防の維持費)を負担せず、三川前水下銀といって新又・祖父川・場市(ばいち)川の三川の水下村は、独自でこの大門地先の分流個所以北の千保川左岸の工事費を負担した。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by