日本歴史地名大系 「新屋堰」の解説 新屋堰あらやせぎ 長野県:上田市神科地区塚原村新屋堰神科台地北東伊勢山(いせやま)村の東、堀越(ほりこし)地籍で神(かん)川より揚水し、虚空蔵(こくぞう)山の東方鴻呂館(こうろかん)地籍をまわり、新屋村・野竹(のだけ)村・西野竹(にしのたけ)などで幾筋もの堰に分れ、条里的遺構を広範囲にわたって残す水田地帯を灌漑し、残水は染屋(そめや)村や長島(ながしま)村地籍の一部水田にも灌漑している。なおこの堰は、口無(くちなし)堰とよばれる笹井染屋(ささいそめや)堰へ分水している。下流は押出(おしいで)川となり蛭沢(ひるさわ)川に流入。灌漑面積一八五町歩余(神科村誌)。神科台地上の堰では、開削の最も古い堰で、古代信濃国府が置かれた際、その基盤として初めて引水された堰と推定されている。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報