改訂新版 世界大百科事典 「新星型変光星」の意味・わかりやすい解説
新星型変光星 (しんせいがたへんこうせい)
nova-like variable
新星のように突然大規模に明るさを変える星。激変星cataclysmic variableともいう。このグループに属する星としては,新星,再帰新星,矮(わい)新星の三つがある。爆発の際の増光は,新星で10等級以上,再帰新星で8~10等級,矮新星で3~5等級である。新星型変光星は赤色星と白色矮星からなる近接連星系で,赤色星は近接連星系のロッシュの限界を満たし,赤色星から白色矮星へガスが流出している。流出したガスは白色矮星のまわりを円盤状に取り巻き,徐々に白色矮星へ降り積もっていく。新星の爆発は,白色矮星に降り積もった水素に富んだガスが爆発的に核融合反応を起こした結果と考えられている。それに対して,矮新星の爆発は白色矮星へガスが間欠的に降り積もることにより,重力ポテンシャルエネルギーが間欠的に解放されるためと考えられている。また,再帰新星は新星と同じ核融合反応の暴走であるが,爆発と爆発の間隔が数十年と短い星であると考えられている。
執筆者:尾崎 洋二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報