新田堀(読み)につたぼり

日本歴史地名大系 「新田堀」の解説

新田堀
につたぼり

渡良瀬川の水を旧新田郡南部一帯(現太田市西部地域・新田郡新田町)へ引く重要な灌漑用水路。取水口は現桐生市広沢ひろさわ町五丁目(旧下広沢村)地先の旧まち堰で、八王子はちおうじ丘陵の東から南の山脚を流下して、旧一本木いつぽうぎ(現桐生市)吉沢よしざわ強戸ごうど寺井てらいを経て新田町に入る。強戸以西はなが堀と名を変えて西流し、標高六〇メートル線に並行して、大間々おおまま扇状地扇端部を潤す。全体は二つの部分に分れる。前半は渡良瀬川取水口から強戸までの部分で、一般にはここまでを新田堀と称する。後半(長堀)は強戸から成塚なりづかを経て、寺井小金井こがねい市野井いちのい(現新田町)の湧水地点を貫く部分で、前半の用水と湧水地点を結び付けた人工的なものである。後半は近世初期以降の開削であろう。分流八王子はちおうじ丘陵東麓のむら用水(現大谷幹線)、同南部の八瀬やせ川・へび川、蛇川分流のひじり川・田島たじま堀、長堀分流の高寺たかでら川・上野井かみのい用水などがある。昭和五四年(一九七九)三月以後は、関東農政局による渡良瀬沿岸農業水利事業の一環である太田頭首工(現桐生市)設置により、旧新田堀は太田幹線・新田堀幹線・長堀幹線の三部分で呼称されることになった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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