方杭村(読み)かたくいむら

日本歴史地名大系 「方杭村」の解説

方杭村
かたくいむら

[現在地名]日高町方杭

山の北西麓にあり、太平洋に面する。東は志賀しが村、南西浦。慶長検地高目録には「方久井村」とみえ、村高二六石余。延宝六年(一六七八)の「日高鑑」によれば、田畑二町八反余、加子米三石。家数二八で内訳は本役一〇、半役一一、無役四、庄屋・年寄・ありき各一、人数一一三、牛四、舟数六(柴舟四・漁舟二)、網二帳(打網一・地引一)。「続風土記」では高三一石余、家数四二、人数二〇九。入山組に属した。

「続風土記」は「村居皆海岸に添ふ、廻船漁事を専とす、(中略)慶長の始、太郎右衛門(今の荘屋元右衛門の先祖なり)といふもの始めて此地に住す、同六年検地の時は家数纔に二、三軒なりしを元和年中八軒になり、寛文年中二十軒になり、今四十軒に余れり、慶長以来他より入たる人なく、漸々に分家せしなりといふ」と記し、家数および人口の増加は廻船と漁業(網漁)に従事するものが多くなったことによると考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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