方穂庄(読み)かたほのしよう

日本歴史地名大系 「方穂庄」の解説

方穂庄
かたほのしよう

現大穂町付近に所在した荘園。片穂庄とも記す。弘安大田文に「南条方穂庄九十一丁二段」、嘉元大田文に「南条方穂庄 六十四丁四段半」とある。

吾妻鏡」に片穂平五・同五郎・同刑部四郎・同六郎左衛門尉などがみえ、正応五年(一二九二)の中務丞惟秀譲状(「岩手県中世文書」所収)、嘉元三年(一三〇五)の尼たうしやう譲状(同書所収)によっても片穂氏は鎌倉幕府御家人(北条氏被官)と考えられ、方穂庄を本貫の地とする平氏庶流の可能性が高い。筑波郡内に強力な領主権を有した常陸平氏は筑波郡の南北両条への分立を機に、一二世紀初頭頃には南条を庶流氏族に分有させ、方穂郷に方(片)穂氏が成立したと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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